かんたん江戸っ子かけいぼ


 




親の通帳を掌握




 父は私が中学生の頃に脱サラをして事業を始めました。

 ですが、その事業は、利益を得ることはありませんでした。最初はちょっとだけ上手くいっていたんです。

 そのせいで、いつまで経っても‥‥‥諦めることも、別の仕事を始めることもできなかったのです。


 いつかまた上手くいく。絶対儲かる。



 いつまで経っても夢を諦めることができなかった私と父は、本当に親子です。しみじみと実感してしまいました。

 夢ばかり見ている夢子ちゃん。



 人間、生きていればご飯も食べるし、お風呂に入るし、トイレにも行く。ご飯を食べるにもお風呂を沸かすのも、トイレに水を流すのも、お金がかかるのです。

 そういう単純なことを父はよくわかっていなかったんです。

 だから、我が家は崩壊寸前でした。
 いろいろなものを掻き集め、たくさんのものを解約して、なんとか半年分の生活費を捻出しました。

 情けないことに私自身の貯金もほとんどない状態。母に現状を告白されて、すぐに兄と弟に連絡をしました。
 東京と広島から急いで帰ってもらって、三人でこれからのことを相談しました。
 遠方に住む二人に代わり、家計は家にいる私が一時管理することを決めていたのですが‥‥‥現実を見つめて途方にくれました。




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miya fujisawa[kantan edokko kakeibo]